「フリーランスサミット2026」に参加しました

立春を過ぎましたが寒さが厳しいですね。昨日の東京は初雪で都心でも少し積もりました。ここ数日は路面凍結に気をつけてください。

さて、そんな大雪前日の2月7日、フリーランスサミット2026に参加しました。途中、仕事で視聴してない部分もありますが、一番興味があった標準契約書のセッションは全部確認できて良かったです。このサミットには毎年参加していますが、契約関係セッションが一番内容が充実して今年も参加して良かったです。その後、公正取引委員会担当者からもフリーランス新法施行後の現状とアドバイスがあり、こちらも具体的な通報件数などがわかり参考になりました。

1)まず標準契約書の紹介です。下請け法、フリーランス新法順守を現場に定着させるには正しい契約書を交わすことが大事です。その理想的な契約書を連合WORQでは標準契約書の在り方を毎年ご紹介くださっています。今年はより具体的な作成交渉ポイントを知ることができました。詳しくは連合WORQ当該ページをご覧ください。

特徴1.作業内容を細かく段階別に分けている(打ち合わせ回数、修正回数など。万一、途中で中途解約になってもその段階までの作業については報酬補償を規定)。

特徴2.労働権や著作者人格権帰属などを明記。たとえば、著作権の放棄などを当たり前とする慣習はアウトとする。

特徴3.生成AI学習の禁止や二次使用料に関する内容を明記。

特徴4.中途解約の場合、途中作業までの報酬請求する権利を明記。(いきなり途中で相手から連絡が途絶えて泣き寝入りなどがないように)。

特徴5.国連「ビジネスと人権に関する指導原則」に沿った仕事内容とする。差別的な内容が依頼内容に含まれていた場合に話しあい、断るまたは良い形に修正を依頼側が受け入れるように明記。または炎上した場合、誰が責任を取るのか。依頼された側だけの問題ではない。

【感想】1.「作業段階に分けて、最終的な納品に至らなくても途中までの作業を明記し、その作業については報酬補償を明記した」点が一歩進んだと感じます。2.生成AIの台頭にどう対抗するか、AI学習禁止など知的財産権が日本以外のアジア圏各国ではしっかり認められているなか、日本は一番遅れているのでしっかり知的財産権を明記し認識していきたいですね。3.こうした標準契約書は受注側のメリットだけでなく依頼側にとっても無自覚不勉強な部分を是正する機会になるので、発注側受注側どちらもこの契約書の形をよく勉強することが大事です。

2)公正取引委員会から小林さんによるフリーランス新法施行後の現状報告とアドバイスがありました。第1セッションの標準契約書の内容を踏襲しつつ、どのような内容が理想的な取引条件であるか確認する形でした。令和6年から令和7年3月までに公正取引委員会が行った指導件数387件のうち、公正取引委員会サイトへの通報が200件以上あったそうで、これはかなり違反現状を当局が知るのに有用というコメントがありました。今後も通報窓口を有効利用していただきたいとのことです。指導内容で多くの問題は未払いおよび取引条件の明示がないケースで、音楽教室、リラクゼーション、フィットネス、出版などが最も深刻な違反=勧告ケースでした。

公正取引委員会側から標準契約書内容と併せて特に周知したいのが1.知的財産権についての取り決めと範囲をかならず明記すること。2.キャンセルポリシー、キャンセル料についても必ず取り決め明記しておいてほしいとのことでした。

【感想】1.上記、標準契約書に明記するべき取り決めについて、個人が交渉能力をつけてしっかり標準契約を交わしていくことも重要ですが、受注側だけでなく発注側がまず勉強するべきことです。第1セッションでも発注側が無自覚な場合が多いとのことですから、公正取引委員会側で研修を必須にするなどの検討も必要ではないでしょうか。2.特に、担当者は自覚しているが企業トップが無自覚または意図的に下請法違反行為を行っている話はけっこう聞きます。自浄作用が効いていないだけでなく発注側企業担当者の地位も危うくなるので、企業内部通報も含めて上記通報窓口に違反行為を知らせ、フリーランス環境の底上げを図っていくことが重要であると考えます。

3.おまけ。上記でもアジア圏各国の「知的財産権への認識」は日本よりはるかに高いと書きましたが、それ以外にも韓国のエンターテインメント業界では、標準契約書で契約書を作ったアーティストの公的保険料の50%を国が肩代わりするシステムだということでした。半分を肩代わりすることで労働環境の底上げを図っているのです。日本は?民間企業の正社員に限っては社会保険料の半分を企業が肩代わりすることになっていますが、自営業フリーランスは全額自分が支払うシステムです。韓国に倣ってほしいものです。

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